SCRIPT
[Scene: Monica’s Apartment, everyone is there and watching a Spanish Soap on TV and they are trying to figure out what is going on.]
[シーン: モニカのアパート、(Friendsの)みんながいて、テレビでスペイン語のメロドラマを見ながら、(セリフがスペイン語で内容がわからない為)何が起きてるのか考えている]
Monica: Now I’m guessing that he bought her the big pipe organ, and she’s really not happy about it.
モニカ: たぶん私が思うに、この男の人がこの女の人にあのパイプオルガンを買ってあげたんだけど、この女の人は全然嬉しくないんだと思う。
Rachel: (on phone) Daddy, I just… I can’t marry him! I’m sorry. I just don’t love him. Well, it matters to me!
レイチェル: (電話で)パパ、私ただ…彼(ベリー)とは結婚できないの!ごめんなさい。彼のことは全然愛してないの。いや、私には重要なの!
(The scene on TV has changed to show two women)
テレビのシーンが変わって、2人の女性が映る
Chandler: (re TV) Ooh, she should not be wearing those pants.
チャンドラー: (テレビに関して)おぉ彼女はこのズボンはくべきじゃない。
Joey: I say push her down the stairs.
ジョーイ: 階段から落としちまえ。
Phoebe, Ross, Chandler, and Joey: Push her down the stairs! Push her down the stairs! Push her down the stairs!
フィービー、ロス、チャンドラーとモニカ: 階段から落とせ!階段から落とせ!階段から落とせ!
(She is pushed down the stairs and everyone cheers.)
(その女性は階段から落とされ、みんな歓声をあげる)
Chandler: that’s it! all right!
チャンドラー: そうだ! いいぞ!
VOCABULARY&PHRASES
・soap / sóʊp
a television about the daily lives and relationships of the same group of people, which is broadcast regularly [LONGMAN英英辞典]
soap (n): 定期的に放送される特定の登場人物の恋愛や日々の生活を描くテレビ番組(=メロドラマ)
“soap”は”soap opera”の意味で、”soap opera”を省略した言い方です。
「ファミリーマート」をファミマと言うのと同じ感覚ですね(笑)
このようなテレビ番組が”soap opera”と呼ばれるようになった所以は、このような番組が多くつくられた1950年代、その番組のスポンサーの多くが石鹸会社だったからのようです。
この”soap opera”という単語はこのFriendsでもこれからよくでてきますのでぜひ注目してみてください(笑)
・figure out
to think about a problem or situation until you find the answer or understand what has happened [LONGMAN英英辞典]
figure out (v): 問題に対する答えや状況がわかるまで、または理解するまでそれらについて考える
“figure out”は「何らかの情報をもとに自分の頭で考える」という意味です。
今回の場合は、スペイン語のドラマの「シーン」や「役者の表情」、「喋り方」などを情報にドラマの内容を考えるという状況なので「何らかの情報をもとに自分の頭で考える」意味の”figure out”がピッタリなのです。
“figure out”については過去記事Friends Season1 (1-2)( “turn out”の部分)で、より詳しい説明、また似た表現の”turn out”/”find out”との比較説明をしてありますのでぜひ併せてご確認ください!
・guess / ɡés
[spoken] to think that something is true or likely [LONGMAN英英辞典]
guess(v) [口語] : 何かが本当、またはそうであると思う
“guess”は「〜を当てる」という意味もありますが、そこから派生して今回の”I guess~”のように「〜と思う」という推測の意味でもよく使われます。
この場合”I guess~”は口語的表現であるため注意が必要です。
また今回のScriptでは”I’m guessing”となっていますが、“I guess”と”I’m guessing”では微妙に意味が異なるので、その点も注意が必要です。↓
“I guess”と”I’m guessing”の違いについて
“I guess”と”I’m guessing”の違いは
☞”I guess”=[根拠や確信はないが、「そう思う理由はある」ときに使う]
☞”I’m guessing”=[そういった理由もなく「ただ何となく思う」場合に使う]
です。
ex) I guess Mike is coming 「マイク来ると思うよ」
☞この場合、根拠や確信はないがマイクが来るであろうという理由(たとえばマイクは誘えばほとんど毎回来ると知っているなどの理由)がある。
ex) I’m guessing Mike is coming 「マイク来るんじゃない」
☞この場合は何の理由も根拠もなくただ何となくそう思う
今回のモニカの場合も、”I’m guessing”という表現からモニカがスペイン語を全く知らず、かなり当てずっぽうに(笑)「パイプオルガンのくだり」を述べていることがわかるわけです。
そしてもし仮にモニカがスペイン語を少しでも知っており、スペイン語のセリフの部分部分からその意味を考えたなら”I guess”とも述べられます。これは言い換えれば”I’m guessing”より”I guess”の方が「確信度」としては高いとも考えられるわけです。
ちなみに”I think~”と”I guess~”であれば”I think~”の方が「確信度」は高いです。
・matter / mǽtər
to be important, especially to be important to you, or to have an effect on what happens [LONGMAN英英辞典]
matter (v): 重要となる、特に自分にとって重要となる、または起きたことに影響を与える
“matter”は動詞で「重要となる」という意味を表し、”It doesn’t matter”「重要じゃない」などのかたちで日常的によく使われます。
今回のScriptでもレイチェルが”It matters to me”「私にとっては重要なの」と述べていますが、このセリフからは電話の向こうのお父さんがレイチェルの”I just don’t love him”「彼のことは全然愛してないの」という言葉に対し”It doesn’t matter”「(愛してるとか愛してないとかは)重要じゃない」と述べたと推測できます。というか99%レイチェルのお父さんは電話の向こうでそう言ったはずです(笑)
日本語でも「関係ないでしょ!」という言葉に対して「関係あるって!」のように同じ「関係」という単語を使い返答することがよくありますが、英語においてもこれと同じ感覚があり、今回の場合はまさにその一例というわけですね。
・I say
used to offer a suggestion or opinion [Oxford Dictionary]
I say: 提案や意見をするときに使われる表現
ex) I say we go and you guys stay
「俺らが行くから君たちはここにいて」
・push / pʊ́ʃ
to make someone or something move by pressing them with your hands, arms etc [LONGMAN英英辞典]
push (v): 手や腕で力を加えることで人やものを動かす=(〜を押す)
“push”は日本語でも馴染みがある為、その意味に関しては問題ないかと思いますが、今回の”push her down”という表現の「考え方」についてはぜひ共有させていただきたく思いましたので、取り上げさせていただきました。
過去記事[Friends Season1 Episode1-3 reachの部分]において
「副詞や前置詞は動詞にくっついてその動作に説明を加える」
と述べました。
今回の場合もこれと全く同じ考え方で、”push her”「彼女を押す」という部分に前置詞の”down”=「の下に」とその前置詞の目的語”stairs”=「階段」をつけ、”push her down the stairs”=「階段の下に落とす」となっているわけです。
・cheer / tʃɪ́ər
to shout as a way of approval, encouragement, happiness etc [LONGMAN英英辞典]
cheer (v): 賞賛や応援、喜びの表れで大声を上げる
“cheer”は喜びで声を上げるなどの意味を表します。
ex)Everybody cheered when the president arrived.
「大統領が到着したとき、みなが歓声をあげた」
GRAMMAR
今回のこのセクションでは2つのことについて共有させていただこうと思います。
①”she’s really not happy about it“の”really”から「副詞の位置」について
②”The scene on TV has changed to show two women”の”to”の意味について
①”she’s really not happy about it“の”really”から「副詞の位置」について
今回こちらでは「副詞の位置を意識する」というテーマでお話をさせていただきたいと思います。
皆さんは
“She is really not happy about it”
と
“She is not really happy about it”
どう意味が違うかおわかりでしょうか?
前者の場合は「彼女はそのことを全然喜んでいない」という意味になり、後者の場合は「彼女はそのことをあまり喜んでいない」という意味になります。
日本語は副詞をどこに置いても基本的に大丈夫ですが、英語はこのように同じ副詞(今回は”really”)でもその位置をどこにするかで文自体の「意味」が大きく変わり、副詞をどの位置に置くかが重要になります。
副詞をどこに置くかの基本となるルールは
「修飾する語の前に置く」です。
(※「修飾とは?」に関してはこちらの記事で確認していただけます
→Friends Season1 Episode1-1 GRAMMAR セクション 修飾について)
今回の例で言えば、
“She is really not happy about it”の”really”は”not”の前に置かれているため”not”を修飾しており、”really not happy”=「とてもnot happy」→「全然喜んでない」となり
“She is not really happy about it”の”really”は”happy”の前に置かれているため”happy”を修飾しており、”not really happy”=「notとてもhappy」→あまり喜んでいない」となっているわけです。
副詞に関しては”enough”(例: good enough 充分良い)など修飾する語の後ろに置くものもあり、網羅的にひと言でその用法を説明することは難しく、やはりこれもたくさんの英語に触れて、その用法・カタチに慣れていくことが副詞をマスターする上でポイントとなると思いますが、副詞の位置に比較的柔軟な日本語のクセから、私を含め日本人の英語学習者が「副詞の位置」をあまり意識しないのではないかと思った為、今回この内容を共有させて頂きました。
そのため次回からの記事でも、副詞の絡んだわかりにくい表現などは積極的に共有させて頂きたいと思っております。
またこの「副詞の位置」に関するより細かなお話はマーク・ピーターセン氏・著「実践 日本人の英語」(岩波新書)にてとてもわかりやすく述べられています。
気になる方はぜひ読んで頂けると良いと思います。おすすめです。
②”The scene on TV has changed to show two women”の”to”の意味について
今回の文章の”to”はto不定詞の用法の1つで「結果」を表すものです。
考え方としては簡単で「”to”の前の文章(今回は”The scene on TV has changed”)が起きて”to”以下の文章(今回は”show two women”)になった」と捉えるだけです。
“The scene on TV has changed”「テレビの場面が変わって」→”to”以下=”show two women”「2人の女性が映る」
=”The scene on TV has changed to show two women”「テレビの場面が変わって、2人の女性が映る」
ex)I came home to find that my house had been broken into.
帰宅すると家が泥棒に入られていた
to不定詞には他にもいくつかの用法・意味がありますので、それらが出てきた際はまた共有させて頂きます。