SCRIPT
[Scene: A Restaurant, Monica and Paul are eating.]
[シーン: あるレストラン、モニカとポールが食事をしている]
Monica: Oh my God!
モニカ: 嘘でしょ!
Paul: I know, I know, I’m such an idiot. I guess I should have caught on when she started going to the dentist four and five times a week. I mean, how clean can teeth get?
ポール: わかってる、わかってる、バカだよな。彼女が週に4、5回その歯医者に通うようになったとき気づくべきだったんだと思う。いや、どんだけ磨けば気が済むんだってさ?
Monica: My brother’s going through that right now, he’s such a mess. How did you get through it?
モニカ: 私のお兄ちゃんも今その状況なの、もうめちゃめちゃ。どうやって乗りきったの?
Paul: Well, he might try accidentally breaking something valuable of hers, say her-
ポール: んー、彼女の貴重なものをうっかり壊してみるとかかな、たとえば-
Monica: -leg?
モニカ: -足?
Paul: (laughing) That’s one way of going through it. Me, I- I went for the watch.
ポール: (笑いながら)それも1つのやり方だね。俺は、俺はね時計にした。
Monica: You actually broke her watch?
モニカ: 彼女の時計を実際に壊したの?
VOCABULARY&PHRASE
・idiot / ɪ́diət
a stupid person or someone who has done something stupid [LONGMAN英英辞典]
idiot (n): バカな人、またはバカなことをした人
“idiot”は日本語の「バカ」とほぼ同じニュアンスでよく使われます(笑)
ex)You idiot! Why did you ever do that!
「バカ!何でそんなことしたの!」
ex)Some idiot has overslept.
「どっかのおバカさんが寝坊した」
過去記事Friends Season1 Episode1-7において
“guess”は「〜と思う」という推測の意味を表す「動詞」
と共有させていただきましたが、今回のように、自身の行動などについて「〜なのだと思う」と「推測」、言い換えれば「婉曲的意味」を込めて”guess” を使う場合もよくあります。
ex)I guess I can do it.
「できると思うよ」
ex)I guess I have to tell you this.
「たぶん伝えとくべきなんだと思って」
これらの例文の”guess”を”think”と言うことも可能ですが、そうした場合「婉曲」のニュアンスは無くなり、もっと直接的になります。
ex)I think I can do it.
「できると思う」
ex)I think I have to tell you this.
「伝えとくべきと思って」
今回のScript部分もこれと同じで、”I think I should have~”と述べることもできますが、そうすると「婉曲」のニュアンスが無くなり「気づくべきだったと思う」という意味になります。
・catch on / kǽtʃ
to begin to understand or realize something [LONGMAN英英辞典]
catch on (v): 何かを理解し始める、または何かに気づき始める
“catch on”は「何かを”learn(=学んで、または知って)”→理解し始める、または何かに気づき始める」
というニュアンスを持つ「自動詞」です。
理解したこと、または気づいたことを述べたい場合は前置詞の“to”を用いて”catch on to~”と述べます。
ex)Even though it was his first time, he caught on quickly.
「彼は初めてだったけど、すぐに要領を得たよ」
ex)It took them a long time to catch on to what was going on.
「彼らが状況を把握するのに多くの時間がかかった」
ex)Wow you catch on quick.
「おぉ 覚えが早いね」
・dentist / déntəst
someone whose job is to treat people’s teeth [LONGMAN英英辞典]
dentist (n): 職業が人の歯を治療することの人(=歯医者)
“dentist”は「歯医者」の意味です。
ex)I’ve made an appointment with the dentist.
「歯医者の予約をしてある」
ex)I’m going to the dentist tomorrow.
「明日は歯医者に行く」
今回のScriptでは”go through”と言っている箇所が2つありますが、それぞれの意味は過去記事Friends Season1 Episode1-1にて共有させていただいた内容と同じです。
この過去記事Friends Season1 Episode1-1では
“go through”=「困難だったり、嬉しくない気持ちや状況を経験する」
という意味だと共有させていただきました。
今回の部分もこれと同じで、
“My brother’s going through that right now”は「ポールが妻に浮気された同じ状況」を”My brother(=ロス)”も経験していることを表し
“That’s one way of going through it”はポールの元妻が何か大切なものを壊されるという「嬉しくない状況」を”go through”することの1つの方法だね
と表しているわけなのです。
・mess / més
a person whose life is full of problems they cannot deal with [Cambridge Dictionary]
mess (n): 対応しきれない問題を抱えた生活をしている人
“mess”は文脈によってさまざまな使われ方をしますが、基本的意味は「まとまりがなく、ぐちゃぐちゃな感じ」と捉えると良いのではないかと思います。
ex)He’s been a real mess since Jane left.
「ジェーンが出てってからあいつはめちゃくちゃだ」
・get through
to come successfully to the end of an unpleasant experience or period of time, or to help someone do this [LONGMAN英英辞典]
get through (v): 好ましくない経験や好ましくない一定の期間を終わらせる、または誰かにこれをさせる(=〜を乗りきる)
“get through”は多義語ですが、今回の場合は「〜を乗りきる」という意味です。
“through”は「何かの中を突き抜けるイメージ」なので→「最後まで突き抜けるイメージ」=「〜を乗りきる」という意味になります。
似たような表現に”get over”というものもありますが、これは前置詞”over”が「何かの上を弧を描いていくイメージ」なので日本語にすると「〜を乗り越える」という意味です。
(“over”のイメージについては過去記事Friends Season1 Episode1-11でも共有させていただいております。よろしければご確認ください)
“get through”=「〜を乗りきる」
ex)I’m not sure if we are gonna get through this snowstorm.
「この吹雪を乗りきれるかわからないな」
“get over”=「〜を乗り越える」
ex)I know you’re a mess right now, but you gonna have to get over this.
「今つらいのはわかる、でも乗り越えないと」
・accidentally / æksədéntəli
in a way that was not planned or intended [LONGMAN英英辞典]
accidentally (adv): 計画されていないで、または意図されず(=誤って、偶然に)
“accidentally”は「誤って、偶然に」という意味です。
今回の部分では”accidentally breaking something valuable of hers”「彼女の貴重なものをうっかり壊してみる」と言っていますが、これは偶然を装ってわざと壊すという意味ですね(笑)
ex)She accidentally dropped the vase on her foot.
「彼女は誤って花瓶を足に落とした」
・valuable / vǽljuəbl
important, useful, or beneficial [Cambridge Dictionary]
valuable (adj): 重要な、役立つ、有益な
“valuable”は「何かしらの価値がある」という意味です。
・way / wéɪ
a method that you use to do or achieve something [LONGMAN英英辞典]
way (n): 何かを達成する、またはするためのメソッド(=やり方、方法)
“way”は多くの意味を持ち、日常的にとてもよく使われる単語ですが、今回は「やり方、方法」という意味です。
ほとんど同じ意味を持つ単語で、上記意味説明(英語)にもあった”method”という単語もありますが、”method”の方が”way”よりもフォーマルなニュアンスを持ちます。
そのため「やり方、方法」という意味では”way”を使うことの方が日常会話では多いです。
ex)There are many ways to learn English.
「英語を学ぶ方法はたくさんある」
ex)There’s no way in hell I’m doing that.
「そんなこと絶対にやらない」
☞直訳すると「それを私がする方法は絶対ない」=「そんなこと絶対にやらない」
(“in hell”は強調ですが、丁寧な表現ではないので注意が必要です)
GRAMMAR
今回のこのセクションではScript内
“he might try accidentally breaking something valuable of hers”から
①”try to do”と”try doing”の違いについて
②このセリフの”might”の解釈について
を共有させていただきたいと思います。
①“try to do”と“try doing”の違いについて
“try to do”と“try doing”の意味はこちらです。
“try to do”=「〜しようと試みる」
“try doing”=「試しに〜にしてみる」
両者の使い分けでポイントとなるのは「その通りにならないかもしれないけど」という意識があるか、ないかです。
たとえば
“I’ll try to do it”「やってみるよ」
であれば「(できるかどうかわからないけど)やってみるよ」ということを表し、「その通りにならないかもしれないけど」という意識があります。
一方、
“I’ll try doing it”「試しにやってみるよ」
は「その通りにならないかもしれないけど」という意識はなく、単純に「そのことをやってみる」=「試しに〜にしてみる」ということを表すのです。
ex)I tried to open the window.
「その窓を開けようとした」
☞「窓が開くかどうかわからないけど、開けようとした」という意味。実際に開いたかどうかはこの文からはわからない。
ex)I tried opening the window.
「試しにその窓を開けた」
☞「窓が開くかどうかわからないけど」という意識はなく、単純に「窓を開けてみた」ことを意味している。実際に窓を開けたこともこの文からわかる。
②このセリフの”might”の解釈について
今回のセリフの”might”は文脈的に仮定法の”might”です。
このセリフは文脈的に考えると
“If he were me, he might try accidentally breaking something valuable of hers”
「もし彼(=ロス)が俺なら、彼女の貴重なものをうっかり壊してみるとかかな」
のif節(If he were me)を省略した「仮定法」の文だと考えられます。
そしてそのために動詞・助動詞の時制を変える仮定法のルールが適用され、「〜だろう」という推量の意味を持つ助動詞”may”がその過去形”might”になっていると考えられるわけです。
なぜこのIf節が省略されているかの理由は文脈的に”If he were me「もし彼(=ロス)が俺なら」”と言わなくても、ポールが「もし彼(=ロス)が俺なら」という体で話をしていることが明らかであるためです。
「彼が俺なら」と自分の経験をロスに置き換えた述べ方は主語を必ず使う英語だからこそさりげなくできる面白い表現だなと思いました(笑)