SCRIPT
[Time Lapse, Ross has entered.]
[時間経過、ロスが登場している]
Ross: (mortified) Hi.
ロス: (とても気落ちして)やぁ。
Joey: This guy says hello, I wanna kill myself.
ジョーイ: こいつが挨拶すると、死にたくなる。
Monica: Are you okay, sweetie?
モニカ: ねぇ大丈夫?
Ross: I just feel like someone reached down my throat, grabbed my small intestine, pulled it out of my mouth and tied it around my neck…
ロス: 誰かが俺の喉に手を突っ込んで、小腸を掴んだ後、それを口から引っ張りだして俺の首に巻きつけてったような気分だよ…
Chandler: Cookie?
チャンドラー: クッキーいる?
Monica: (explaining to the others) Carol moved her stuff out today.
モニカ: (みんなに説明する)キャロルが今日荷物をまとめて出てったの。
Joey: Ohh.
ジョーイ: あぁ。
Monica: (to Ross) Let me get you some coffee.
モニカ: (ロスに対して)コーヒー持ってきてあげる。
Ross: Thanks.
ロス: ありがとう。
Phoebe: Ooh! Oh! (She starts to pluck at the air just in front of Ross.)
フィービー: あぁあぁ!(ロスのすぐ前にある空気をつまみ始める)
Ross: No, no don’t! Stop cleansing my aura! No, just leave my aura alone, okay?
ロス: おい、頼む、オーラを取るのはやめてくれ!いいから、オーラはそのままにしといて、ね?
Ross: I’ll be fine, alright? Really, everyone. I hope she’ll be very happy.
ロス: 俺は大丈夫だから、本当に、みんな。彼女(キャロル)に幸せになってほしいと思ってるんだ。
Monica: No you don’t.
モニカ: そうは思ってないでしょ
Ross: No I don’t, to hell with her, she left me!
ロス: あぁ思ってないよ、あんなやつどうでも良い、あっちから出てったんだ。
VOCABULARY&PHRASES
☞“time lapse”の意味は前回記事Friends Season1 Episode1-2 VOCABULARY&PHRASESのセクションにて共有してございます。よろしければご確認ください。
・enter / éntər
to go or come into a place [LONGMAN英英辞典]
enter (v): ある場所に入る
enterは少しフォーマルな言葉なので、日常英語で「〜に入る」というときは”go into/in”または”come into/in”というのが普通です。
同じ「〜に入る」の意味で”get into/in”もありますが、これはニュアンスとして、「入るのに苦労した」など、その場所に入るために”何かしらのプロセス”があったことを含むので、例えば「鍵のかかってる部屋にどうにかして入った」ことを言いたい場合などに”get into/in”が使われるのです。
ex)How did you get in here? The door was locked right?「どうやって入ったの?ドアの鍵閉まってたでしょ?」
こういった「単語の持つニュアンスの違い」はマークピーターセン氏・著「心にとどく英語」(岩波新書)により詳しく、そしてわかりやすく述べられていますのでオススメです。
それから、今回のように役者がそのシーンに登場するという意味で”enter”がよく使われますが、今回の部分が”Ross has entered”と完了形になっているのは、場面が切り替わった際にロスがすでに登場していたためです。このように「何かが完了した状態」という意味を含むのが完了形の1つの役割ということですね。
・mortified / mɔ́ːrtəfaɪd
extremely offended, ashamed, or embarrassed [LONGMAN英英辞典]
mortified (adj): とても不快、恥じている、または恥ずかしい
mortifiedはぴったりの日本語訳が難しいですが、今回のロスのようにすごく落ち込んだ様子から、赤面して恥ずかしいという様子を表すまで幅広い意味として使われます。
ちなみに「恥ずかしい」という意味では”ashamed”と”embarrassed”という単語がありますが、両者の違いは
「恥ずかしいと感じる意識の方向」です。
“ashamed”は自分の行いや間違いなどに対して「あぁ私何やってんだろう」という「恥ずかしさ」を表すもので、
“embarrassed”は他人の目を気にして、または他人に何かを見られたり、聞かれたりして「恥ずかしい」ということを表すわけなのです。
☞ashamed=自分自身に対しての恥
☞embarrassed=他人の目を気にしての恥
ex) I’m really ashamed of myself for lying to you. I’m really sorry.
「君に嘘ついたこと本当に恥じている。本当にごめん。」
ex) I was really embarrassed when she told me I had food in my teeth.
「歯に食べ物が挟まってるって彼女に言われたとき、めちゃめちゃ恥ずかしかった。」
・reach / rɪ́ːtʃ
to move your arm in order to touch or lift something with your hand [LONGMAN英英辞典]
reach (v): 手を使って何かを触ったり、持ち上げるために腕を動かす
“reach”は文脈によって様々な意味を表しますが、今回の文脈では「手を使って何かを触ったり、持ち上げるために腕を動かす」という意味です。
この「腕を動かす」という意味で”reach”を使う場合は「腕を動かした方向を表す(=説明を加える)」ため、何らかの前置詞(場合によっては副詞)をくっつけてその動作の詳細を述べることが多いです。
今回の場合、その前置詞が”down”となるのは「口から手を入れて、喉から下へと手が伸びてくイメージ」がされているためで、言い換えれば状況によってこの”down”は変えることができるというわけです。
ex) reach into a bag (バッグの中に手を入れる)
今回のスクリプト内”pull it out of my mouth” “tied it around my neck”も考え方はこれと同じです。
前者の場合、”pull it”(=それを引っ張る)という動作に「引っ張り出した」という「引っ張った方向」の説明を加えたいため、副詞の”out”(=出した)が用いられている。そしてその”out”(=出した)がどこから「出た」のか、その説明をするため”of my mouth”(=口から)という「説明」が続いていると解釈できるわけです。
後者の場合は”tie”(=巻く)という動作が「首のまわりに」されたこと説明したいため「まわりに」という意味を持つ”around”を用い”tie it around my neck”とされているわけです。
[追記]“moved her stuff out”も同じ考え方です。
“move her stuff”(=彼女のものを動かす) という動作がどこに向かってされたのか、その「動作の方向」を説明するため”out”(=外へ)が使われ、荷物を外に出した=この文脈の場合「荷物を持って出て行った」となるわけです。
受験英語などでこういったフレーズをイディオム(熟語)として覚えてしまうとなかなかこういったことに気づけないかと思いますが、このようにフレーズを「分解」して考えていくと、それらの特徴がわかり、副詞や前置詞をより自由自在に使えるようになってくると思います。
・intestine / ɪntéstən
the long tube in your body through which food passes after it leaves your stomach [LONGMAN英英辞典]
intestine (n): 食べ物が胃を出た後に通る体内の長い管
“intestine”は「腸」という意味ですが、腸全体の意味ではなく「腸という”管”」を意味する単語です。
「腸全体」を意味する単語は”bowels”と言います。
またScriptからお気づきいただけるように「小腸」は”small intestine”、「大腸」は”large intestine”と言います。
・pluck at / plʌ́k ət
to pull something quickly several times with your fingers, especially because you are nervous or to attract attention [LONGMAN英英辞典]
pluck at (v): 数回、すばやく指で何かをひっぱる、特に緊張してたり、注意を引くために
ex)The little boy plucked at his mother’s sleeve. 「その小さな男の子はお母さんの袖を数回ひっぱった」
・cleanse / kléns
to remove everything that is bad or immoral from a person’s character, an organization, or a place – used especially in news reports [LONGMAN英英辞典]
cleanse (v): 人の特徴、組織、場所から悪い部分を全て取り除く、特にニュース記事などで使われる
ex)to cleanse your heart.
心をきれいににする
今回の”cleanse”はまさにロスの「負のオーラ」を取り除こうとしたわけですね。
・aura / ɔːrə
[countable] quality or feeling that seems to surround or come from a person or a place [LONGMAN英英辞典]
aura (n) [可算名詞]: ある場所、ある人のまわりを包んでいる、または、それらから出ている、特徴や雰囲気
・to hell with
[spoken] [not polite] used to say that you do not care about someone or something anymore [LONGMAN英英辞典]
to hell with [口語] [丁寧でない表現]: 何かや誰かを「もうどうでもいい」、「気にしない」と言いたい時に使われる
ex)To hell with it, let’s get started!
「もういいよ、始めよう!」
GRAMMAR
今回このセクションではScript内ジョーイのセリフから
“This guy says hello, I wanna kill myself.“
の解釈について共有させて頂きます。
この部分の解釈ではニューヨークという「地域的背景」がポイントになるようです。
というのも本来この表現は
“When this guy says hello, I wanna kill myself”
のように”when”が付き、「こいつが挨拶すると、死にたくなる」という意味になるのですが、ニューヨークの人たち独特の「言い回し」でこの“when”を省くことがあるそうなのです。
つまり今回、このセリフの解釈としては”This guy says hello, I wanna kill myself.“はWhen this guy says hello, I wanna kill myself”をニューヨークカーの「言い回し」で述べたと解釈できるわけです。
※この”when”を省いた言い回しはニューヨーカー感が強くなるため、どうしても言いたい場合は別にして、普通に”when”をつけて述べるのがナチュラルで、ベターだそうです。
文法や単語は日本にいてもある程度マスターできますが、こういった地域特有の英語、言い回しなどはなかなか知る機会がないので、出くわすと困ってしまいますね(汗)