SCRIPT
[Time Lapse]
[時間経過]
Chandler: Alright, so I’m back in high school, I’m standing in the middle of the cafeteria, and I realize I am totally naked.
チャンドラー: よし、俺は高校生に戻ってて、食堂の真ん中に立ってる、で気づくんだ、自分が素っ裸だって。
All: Oh, yeah. I’ve had that dream.
全員: あぁ 私も見たことあるその夢。
Chandler: Then I look down, and I realize there’s a phone… there.
チャンドラー: それから下を見て、気づくんだよ電話があると…あそこに。
Joey: Instead of…?
ジョーイ: …の代わりに?
Chandler: That’s right.
チャンドラー: その通り。
Joey: Never had that dream.
ジョーイ: その夢は見たことない。
Phoebe: No.
フィービー: ないね。
Chandler: All of a sudden, the phone starts to ring. And it turns out it’s my mother, which is very-very weird, because she never calls me.
チャンドラー: で突然、その電話がなるんだ。しかもそれが母親からの、それってめちゃめちゃ変なことなんだ、だってうちの母親俺に電話してこないから。
VOCABULARY&PHRASES
・lapse / lǽps
[usually singular] a period of time between two events [LONGMAN英英辞典]
lapse (n):[主に単数形] ある事柄が起きてから次の事柄が起きるまでの間の時間
iPhoneでスローモーションの動画が撮れるタイムラプス機能も英語で”time lapse”と言いますが、今回のような意味として”time lapse”が使われる場合もあります。
“a time lapse”とは”a lapse of time”と同じ意味で、直訳すれば「(時間の)間隔」という日本語訳が一番英語の意味に近いと思います。
ex)There was a lapse of ten years between his visits.(彼が再び訪ねてくるまでに10年の間(間隔)があった。)
Script内の”time lapse”に冠詞の”a”がなく、上記した例文に冠詞の”a”が使われている理由は前回の記事[Friends Season1 Episode1-1 chalkの部分]で少し共有させていただいた内容の考え方と同じです。
つまり前回記事で例として挙げたexperience(=経験)と同じく、この場合も一般的概念としての”time lapse”という意味であるため、Script内のtime lapseには冠詞の”a”がなく、一方、上記例文では「彼が訪れてから再び訪れるまでの時間の間隔(=具体的1つの出来事)」であるため冠詞の”a”が使われているということなのです。
・cafeteria / kæfətɪ́əriə
a restaurant, often in a factory, college etc, where you choose from foods that have already been cooked and carry your own food to a table [LONGMAN英英辞典]
cafeteria (n): 主に工場や大学などにあるレストランのことで、調理された食べ物を選んで自分のテーブルに持っていくスタイルのもの
・realize / rɪ́ːəlaɪz
to know and understand something, or suddenly begin to understand it [LONGMAN英英辞典]
realize (v): 何かを知っていて、理解している(=気づいている or わかっている)または突然何かを理解する
“realize”と聞くと”know”,”understand”との使い分けがわかりにくく、混乱するということも多いのではないかと思います。
そのため今回はこれら3つの違いを理解すべく、例文とともにそれらの違いを共有させていただき、それらを理解した上で今回のScript内のrealizeの意味を見ていこうと思います。
まずこれら3つの基本の意味がこちらです。
①realize:(上記したように)「何かに気づいている、または気づく」ということ。
②understand:何らかの事柄(知識)などを「理解する/している」ということ。
③know:何らかの事柄(知識)などが頭に入っている、または自覚している=「知っている」ということ。
続いてそれらの具体的な例文です。
① I realized how great the show, Friends was. (フレンズがどれだけ面白いか気づいたよ)
② I understand how great the show, Friends is. (フレンズが面白いってことがわかった(=理由を理解した)よ)
③ I know how great the show, Friends is. (フレンズが面白いってこと知ってるよ)
ご覧いただいたようにこれらの使い分けは結構はっきりしていると思います。
上記の基本的意味と例文をまとめると
①では「今までは面白いとは思っていなかった(または思えていなかった)けれど、何かをきっかけにフレンズが面白いと「気づいた」ということが表されており=「気づいていなかった状態」から「気づいた状態」へ変化したので、realizeを使う。
☞「気づき」に焦点が当たっている。
②ではフレンズが面白いと言われる所以がわからなかったけれど、その理由を何らかの事柄をきっかけに「理解した」ということが表されており=何らかの理由や意味などを「理解していない状態」から「理解した状態」へ変化したためundestandを使う。
☞「意味や理由の理解」に焦点が当たっている。
③knowでは「単純に何らかの事柄を(今まで見聞きしたりして)「知っている」と述べるため、knowを使う。
ということなのです。
今回のScript内のチャンドラーの場合も自分が高校生に戻ってて、高校の食堂にいるとこまでは自覚していた(=know)けれど、自分が裸ってことは自覚していなかった為、そのことに「気づいた」と述べるときはrealizeを使うということになるです。
☞”I realize there’s a phone”の部分もこれと全く同じ考え方です。
この3つの動詞は日常的によく使われる動詞なので、ドラマや映画などでこれらの単語を聞いたときはぜひ上記した内容を思い出していただきその意味を考えていただければと思います。そうすればこれらの使い分けも自然と感覚的に出来てくるはずです!
・totally / tóudəli
completely [LONGMAN英英辞典]
totally (adv): まったく/完全に
“adv”は”adverb”の略で「副詞」という意味です。
それからこの単語のように”t”が母音(a/e/i/o/u/(y))に挟まれると”d”の音として発音されることがあります。
この理由は単純で”d”の音にした方が発音しやすいからのようです。
・instead of
in place of someone or something [Cambridge Dictionary]
instead of : 〜の代わりに
上記意味説明(英語)のplaceはrole(=役割)という意味です。直訳すれば「誰か/何かの役割として」=「〜の代わりに」という意味になるということですね。
今回の場合は言うまでもなく、オチ◯チ◯の代わりに電話がぶら下がってたと言ったわけですね(笑)
・all of a sudden
suddenly [LONGMAN英英辞典]
all of a sudden: 突然/急に
“all of a sudden”は”suddenly”と同じ意味ですが、”all of a sudden”と”out of the blue”はどう違うのか疑問に感じる方もいらっしゃると思ったので、”out of the blue”の意味も併せて共有させていただきます。
↓
・out of the blue
without warning, completely unexpected
out of the blue: 何の知らせもなく、完全に予期せず
“all of a sudden”も”out of the blue”も基本的に意味することは同じです。
ただ強いて言えば、“out of the blue”の方が「予想してなかった」という意味が強いようです。
その理由はこのフレーズができた由来を考えると納得できると思いますので、その由来を共有させていただきます。
“out of the blue”とは”out of a clear blue sky”が元々の意味で、「静かで雲ひとつない空が突然様子を変える」という意味です。
雲ひとつない穏やかな空がいきなり変化する。そこから→「何の予期もせず」という意味になったというわけです。
日本語では「青天の霹靂」とも訳されるようですが、英語だとこの言葉ほど”かたい”印象はなく日常的に頻繁に使われるフレーズだと思います。
雲ひとつない穏やかな状況が突然変化すると想像すると、何も知らせや予期がなかった感じがよりダイナミックに伝わってきて、”all of a sudden”より「予期してなかった感」が強い感じがしますね。
・turn out
to have a particular result, especially one that you did not expect [LONGMAN英英辞典]
turn out (v): ある特定の結果となる、特に予期してなかった結果
“turn out”は「何かが何らかの結果となる」と言いたい時に使える便利な表現で、とてもよく使われます。
“turn out”でポイントとなるのは「それらの何らかの結果が、あるプロセス(過程)の中で ”ある意味自然発生的に” 発生する」ということです。
具体的に言えば、今回のScript内、チャンドラーのセリフからもわかるように「[電話に出る]というプロセスを行なったから→当然として(自然発生的に)[電話が誰からかかってきたかわかる]」となるため、ここでは”turn out” が使われるということなのです。
まぎらわしい表現で”find out”や”figure out”があると思いますが、もしこの同じ部分で”I found out it was my mother”(文脈的にかなり変な文ですが 笑)と言うと、
「チャンドラーは声だけでは誰かわからなかったので、逆探知して電話がどこからかかってきているかつきとめ、そしてその場所が実家だったので、電話は母からだとわかった」のような状況を暗示し、
もし”I figured out it was my mother”と言うと、
「チャンドラーはここも声だけでは誰かわからなかったので、まず電話がかかってきた時間帯に電話をかけそうな人を考え→その中から自分に電話してきそうな人を絞った結果→お母さんしかいないと思い→電話はお母さんからと思う」のような状況が考えられるわけです。
☞上記の内容をまとめると
・turn out → 何らかの過程から自然発生的に発生した結果を表す。
・find out → 何らかの情報をもとにして知った/わかった結果を表す。
・figure out → 何らかの情報をもとに自分の頭で考えた結果を表す。
ここでは無理矢理チャンドラーのセリフを変えて(笑)”turn out” “find out” “figure out”の違いを共有させていただきましたが、この考え方はこれらの動詞を使うときの基本となる考え方です。あとはやはりたくさんの英文に触れて、これらの感覚を深めていただければ、これらの使い分けも感覚的に出来てくるはずです!そして混乱した時はぜひ、ここに戻ってきていただき、上述した基本的な考え方を確認していただければと思います。
※下記に”find out”,” figure out”の発音も共有させていただきます。よろしければご確認ください。
・find out
・figure out
・weird / wɪ́ərd
[informal] very strange and unusual, and difficult to understand or explain [LONGMAN英英辞典]
weird (adj): [略式] とても変で、普通じゃなく、理解し難い(=ヘンな/変わった)
[略式]とはカジュアルな表現という意味です。
上記の意味説明(日本語)では、例によって意味説明(英語)の直訳も載せておきましたが、日本語の感覚で捉えると、この”weird”は「ヘンな/変わった」という意味になるので、こちらの意味として覚えた方が英語のニュアンスともピッタリ合い良いかと思います。
また、似た意味の単語として”strange”もありますが、これは日本語の感覚で捉えると「不思議な/奇妙な」という意味になり「ヘンな/変わった」よりは少しフォーマルな印象が増します。そして英語における”weird”と”strange”のニュアンスの違いもこれと同じです。
ex) I had this weird dream last night 「 昨日ヘンな夢を見た」
ex)I had this strange dream last night 「 昨日不思議な夢を見た」
後者の方が少しまともそうな夢に感じるのではないかと思います。 英語においてもこれと同じニュアンスの違いがあるわけですね。
どちらの単語を使うかは話し手の意識によるので、使い分けに関してはフォーマルかカジュアルかを気にするより、「ヘンな」と言いたいのか「不思議な」と言いたいのかを意識したら良いのではないかと思います。
GRAMMAR
今回もこのセクションでは2つのことを共有させていただこうと思います。
①Script内チャンドラーのセリフから“I’m standing in the middle of the cafeteria”の”cafeteria”につく冠詞がなぜ”a”ではなく”the”なのか
②”And it turns out it’s my mother, which is very-very weird, because she never calls me.“から関係代名詞の前に「,」(カンマ)がつく場合の意味
①“I’m standing in the middle of the cafeteria”の”cafeteria”につく冠詞がなぜ”a”ではなく”the”なのか
この理由を説明させていただくには冷蔵庫を使った例文を用いるとわかりやすいと思いますので、その例を使ってご説明していきます。
例えば、家で家族に「それ冷蔵庫に入れておいて」と英語で言うとき”Could you put it in the fridge?”などと言うと思います。そしてこの文脈においては、まず必ず”fridge”(=冷蔵庫)につく冠詞は”a”ではなく”the”になります。なぜでしょうか?
その理由は
冷蔵庫はどの家にもだいたい1つあり、その家の中で「冷蔵庫」と言えば、意味されるのはその1つの冷蔵庫だとはっきりわかるからです。
前回の記事で定冠詞(=the)の基本となる考え方(Friends Season1 Episode1-1の下部 GRAMMARセクションに記載)を共有させていただきましたが、そこにおいて
「定冠詞があれば、かならず話し手と聞き手(あるいは、著者と読者)との間に、theという言葉で具体的に何を指しているかを理解しているという前提がある」
と書きました。
この場合も全く同じで「話し手が”the fridge”と言えばその家に1つしかないその冷蔵庫だと聞き手にもわかる(いやむしろ家に冷蔵庫は1つしかないのだから、その冷蔵庫以外ありえないとなる)ため、冠詞は”a”ではなく”the”を使うということなのです。
今回のcafeteriaの部分もこれと同じ論理が当てはまると考えられます。
つまりチャンドラーの高校には食堂が1つしかなくそのために冠詞は”a”ではなく”the”を使ったと考えられるわけです。
冠詞1つの違いで、チャンドラーの高校に食堂がいくつあったのかわかる。冠詞の使い分けではこういった情報も読み取ることができるのでとても面白いですね!
②関係代名詞の前に「,」(カンマ)がつく場合の意味
関係代名詞とは前の名詞(=先行詞)に「文(=主語と動詞があるもの)」をつけ、その名詞に対する説明を付け加える役割を持つものです。
ex)The book↶which you gave me「君がくれた本」
☞関係代名詞の”which”以下が”the book”に説明を加えている。
このカンマがつかない関係代名詞の用法は「制限用法」と言い、
いくつかある中から「1つに制限する」意識を表すものです。
上の例で言えば、「自分で買った本」「家にあった本」「友達からもらった本」などではなく「君がくれた本」と制限(=限定)しているイメージがニュアンスとしてこの文に含まれるわけです。
そしてもし上記の文が
“The book, which you gave me.”
とカンマをつけた形になると、上記した制限(=限定)の機能はなくなり、単純に「説明を付け加える」という役割(=非制限用法)になります。
“The book, which you gave me.” 「君がくれた本」
日本語に訳すとカンマがあってもなくても意味は変わらないように見えますが、このカンマの有無は文脈によってはとても重要になるので注意が必要です。
例えば「アメリカに住んでいる父」と英語で言いたい場合、もしも
“My father who lives in America”
とカンマなしで述べると、それは、大げさに言えば「日本に住んでいる父」「韓国に住んでいる父」「フランスに住んでいる父」ではなく「アメリカに住んでいる父」というようなニュアンスを表し、「他に何人もいる父の中のアメリカに住んでいる父ですよ」といった意味を含ませてしまうのです。
「国際的パパ活」ならこれでも意味が通じますが(笑)普通に「アメリカに住んでる父」と言いたい場合は
“My father, who lives in America”
と述べないといけないのです。
これらの点を踏まえ今回の部分を見ればカンマの存在も納得いただけると思います。
つまり今回の部分はカンマがあるので、which以下の文章が単純に「説明を加えている」わけです。
“it turns out it’s my mother, which is very-very weird, because she never calls me.“
☞”it turns out it’s my mother”「(電話が)お母さんからだった」ということをwhich以下で「それはヘンなことなんだ。だって彼女が電話してくることはないから」と説明している。
この文章は上記した例と違いwhich以下が先行詞ではなく、その関係代名詞の前にある文全体を説明していますが、このカンマありの非制限用法に限ってはこのように関係代名詞の前にある文全体を説明することもできるのです。
このカンマの有無は会話となると誰も「カンマ!」とは言ってくれないので判断に困りますが(笑)
英語力が上がっていけば、話の流れから自然と判断できるようになってくると思います。