SCRIPT
Monica: Okay, look, this is probably for the best, y’know? Independence. Taking control of your life.
モニカ: いい、これでよかったのよきっと、ね? 自立するの。自分の人生を生きるのよ。
Joey: (comforting her) And hey, you need anything, you can always come to Joey. Me and Chandler live right across the hall. And he’s away a lot.
ジョーイ: (レイチェルを励まして) それから、何かあったらいつでもジョーイのとこに来ていいよ。俺とチャンドラーは、廊下のすぐ反対側に住んでるし、あいつはいないこと多いから。
Monica: Joey, stop hitting on her! It’s her wedding day!
モニカ: ジョーイ、口説いたりしないで! 結婚式の日よ!
Joey: What, like there’s a rule or something?
ジョーイ:なに、ルールでもあるのかよ?
VOCABULARY&PHRASES
・probably / prɑ́ːbəbi
used to say that something is likely to happen, likely to be true etc [LONGMAN英英辞典]
probably (adv): 何かが本当でありそう、起こりそうというときに使われる(=たぶん)
“probably”は日常的にすごくよく使われる副詞なので、耳にすることも多いと思います。
しかし、この”probably”は”maybe”など似たような単語も多く、その使い分けに混乱することも多いのではないかと思いますので、今回はそれらの単語のニュアンスの違いを共有させていただきたいと思います。
今回、共有させていただく単語は”probably”/”maybe”/”perhaps”の3つです。
“probably”/”maybe”/”perhaps”はどの単語も「たぶん」や「おそらく」などと訳される単語ですが、その「可能性」を%に表すとこのようになります。
“Probably”=50%〜75%
“maybe”=50%以下
“perhaps”=50%以下
これらの単語の捉え方としては”maybe”と”perhaps”はほぼ同じ意味で”probably”だけそれらより少し高い可能性を表していると考えれば良いと思います。
ただ1つだけ注意点があり、同じ意味でも”maybe”より”perhaps”の方がフォーマルな単語なので、ビジネスなどフォーマルなシチュエーションでは”maybe”ではなく”perhaps”と言う方がよいと思います。
参考までに”maybe”と”perhaps”の発音も共有させていただきます。
・maybe / méɪbi
・perhaps / pərhǽps
・be (all) for the best
[especially spoken] used to say that a particular event may seem bad now, but might have a good result later [LONGMAN英英辞典]
be (all) for the best: (主に話し言葉)今は良くない出来ことだと思っていても、長い目で見れば良い事であると言う場合に用いる表現
“be (all) for the best”はこのFriendsでも良く出てくる表現です。
(“all”がカッコに入っているのは省略されることもあるからです。)
ex) She left me last night, but I think it’s for the best for both of us, y’know?
彼女は昨日出てった。でもお互いにとってはこれで良かったんだと思う。
・independence / ɪndɪpéndəns
the freedom and ability to make your own decisions in life, without having to ask other people for permission, help, or money [LONGMAN英英辞典]
independence (n): 自分以外の人からお金や手助け、許可をもらわず、人生の決断をする能力と自由(=自立)
“independence”は「自立」という意味ですが、「独立」などの意味も持つ多義語です。
7月4日はアメリカの独立記念日で”Independence Day”と言い、このタイトルでつくられたウィルスミスさん主演のSF映画もありますね。
・take control of
to get the power and right to direct someone or something [The Free Dictionary]
take control of (v) : 何かや誰かを指揮する権利や力を持つこと
“take control of”は上記した説明文だと少しややこしいですが、何かまたは誰かのコントロールを”take”する(=とる)ことと考えればわかりやすいと思います。
ex) I couldn’t take control of that horse.
あの馬に言うこときかせられなかった。
この”take control of”は1つのフレーズのようになっていますが、分解して考えれば、「何かを操作したりする力や権利というもの」を意味する”control”を”take”するという意味なので、この”control”を「どうするのか」という考え方をした方が表現の幅が広がると思います。
たとえば、”control”を「失った」なら
“I suddenly lost control of that horse.” 「突然あの馬は言うことをきかなくなった。」
ですし、
「“control”された状態」を意味したいなら
“Everything is under control” 「すべては順調」
などと表現できるわけです。
またこの”control”が可算名詞(数えられる名詞)ではなく不可算名詞(数えられない名詞)となっているのは、前回記事Friends Season1 Episode1-9 stringの部分で共有させていただいた理由と同じです。
前回記事では「可算名詞」=具体的かたちのイメージがあるもの、「不可算名詞」=具体的かたちのないもの(=概念)であると述べさせていただきましたが、今回の”control”の場合も具体的かたちのあるものではなく「何かを操作したりする力や権利というもの」=概念を意味しているので、不可算名詞となっているわけです。
・comfort / kʌ́mfərt
to make someone feel less worried, unhappy, or upset, for example by saying kind things to them [LONGMAN英英辞典]
comfort (v): 誰かの悲しみや心配、不安を和らげてあげる、たとえば何か優しい言葉をかけるなどして(=慰める)
“comfort”は「〜を慰める」という意味です。
この”comfort”の説明に関してはSesame Streetの動画が良いと思いますので、そちらのURLを共有させていただきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ij71DXDgvz0
実際このSesame Streetではたくさんの単語やフレーズを紹介しており、とても勉強になるのでぜひ他の動画も見てみると良いと思います!
・across / əkrɔ́ːs
on the opposite side of something [LONGMAN英英辞典]
across : 何かの反対の側に
“across”は多義語で、今回のScriptでは「何かの反対側に」という意味を表す「前置詞」です。
注意する点としては、今回の”across”は「何かの反対側に」を意味する単語なので、”across”の目的語は右側と左側のように「2つの側があるもの」になるという点です。
ex) across the street 「道の反対側」
☞道は右側と左側2つの側がある(Scriptの”hall(=廊下)”も同じ)
もし「〜の向かいに」と言いたい場合は”across from~”と言います。
ex)Our room is across from Monica and Rachel’s
俺たちの部屋はモニカとレイチェルの部屋の向かいにある。
・hall / hɑ́ːl
a passage in a building or house that leads to many of the rooms [LONGMAN英英辞典]
hall (n): 多くの部屋につながっているビルや家の中の通り道(=廊下)
ex)The restroom is down the hall.
お手洗いは廊下の先です。
・away / əwéɪ
not at home, at work or in school [LONGMAN英英辞典]
away: 家や仕事、学校にいない
“away”は「誰かがその場にいない」という意味です。
ex)He’s away on holiday.
彼は休暇でいません。
・hit on
[American English] [informal] to talk to someone in a way that shows you are sexually attracted to them [LONGMAN英英辞典]
hit on(v): [アメリカ英語][フォーマルでない表現] 誰かに性的に惹かれているという感じで話しかける(=口説く)
“hit on”は「〜を口説く」という意味でとてもよく使われます。
ex)He always hits on girls.
彼はいつも女子を口説いてる。
・rule / rúːl
an official instruction that says how things must be done or what is allowed [LONGMAN英英辞典]
rule (n): 物事がどう行われるかや何が許されているかなどを述べた公の指示(ルール)
“rule”は発音を共有させて頂きたかったので取り上げました。
GRAMMAR
今回このセクションでは2つのことについて共有させていただきたいと思います。
①”Me and Chandler live right across the hall“の”the”について
②”What, like there’s a rule or something?“の”a”について
①”Me and Chandler live right across the hall“の”the”について
冠詞の”the”については過去記事で何度か共有させていただきましたが、今回の場合も考え方としては冠詞の”the”について一番最初に共有させていただいたFriends Season1 Episode1-1 GRAMMARセクション 冠詞の”the”についての内容と同じです。
この過去記事(Friends Season1 Episode1-1 GRAMMARセクション 冠詞の”the”について)ではマーク・ピーターセン氏著作『続日本人の英語』(岩波新書)の言葉を引用させていただき
定冠詞があれば、かならず話し手と聞き手(あるいは、著者と読者)との間に、theという言葉で具体的に何を指しているか、またそれによってtheにつく名詞の意味が具体的にどういうふうに限定されるか、という大切な「前提がはっきりしているはず」
という「”the”を使う際の前提」を共有させていただきました。
今回の場合もこれと同じことが当てはまり、ジョーイが述べている”hall”とは「モニカとレイチェルの部屋とジョーイとチャンドラーの部屋の間にある廊下ですよ」と、世界中にたくさんある廊下の中から限定するために”the”を用いて”the hall”と述べているわけです。
②”What, like there’s a rule or something?“の”a”について
冠詞の”a”についても過去記事で何度か共有させていただきましたが、こちらは上記した冠詞の”the”とは逆の考え方で、冠詞の”a”は
「話し手と聞き手の間で具体的に何を指しているか決まってないもの、不特定の何か1つ」
を意味するときに使われます。
今回の場合で考えれば、話の流れから「花嫁を結婚式の日に口説いちゃいけないルールがあるのかよ?」と言っているのはわかりますが、ここでジョーイが述べているのは「何か特定のルール(=the rule)」ではなく「ルールというもの(=漠然と1つのルール)があるのかよ?」ということであるため、不特定の何かを意味する冠詞の”a” を使い”a rule”と述べているわけです。
また別の考え方をすると、もし仮にこの部分を
“Like there’s the rule or something”と述べても、
その意味は「そのルールか何かあるのかよ?」となり、
聞き手であるモニカにはジョーイが述べた「そのルール」がなんのルールのことかわからないという状況になってしまう為→”the rule”と言うのではなく”a rule”(=漠然と1つのルール)と述べているわけです。
つまり今回の場合は文脈的に”the”は使えないわけで、言い換えれば「冠詞は文脈によって決まる」というわけなのです。