SCRIPT
[Scene: Ross’s Apartment, they’re all sitting around and talking.]
[シーン:ロスのアパート みんながその辺に座って、話している]
Ross: (scornful) Grab a spoon. Do you know how long it’s been since I’ve grabbed a spoon? Do the words ‘Billy, don’t be a hero’ mean anything to you?
ロス:(あざ笑う感じで)スプーンを掴めね。スプーンを掴んでからどれぐらいが経ってるかわかるか?お前らは“Billy Don’t Be A Hero”って言葉に何か感じるか?
Ross: Y’know, here’s the thing. Even if I could get it together enough to- to ask a woman out,… who am I gonna ask? (He gazes out of the window.)
ロス:いや、つまりさ。たとえ他の女性をデートに誘えるぐらいに俺がなったとしても…誰を誘うんだよ?(彼(ロス)は無意識に窓の外を見る)
[Cut to Rachel staring out of her window.]
[レイチェルが窓の外を見つめているカットになる]
VOCABULARY&PHRASES
・around / əráʊnd
used to show that someone spends time in a place without doing anything useful [LONGMAN英英辞典]
around : 特に何もせずある場所で時間を過ごしているということを表すのに使われる
“around”は多くの意味がある単語ですが、今回の文脈では「特に何もぜず」という状態を意味します。
ex)I don’t like waiting around.
「何にもせずにただ待つのは好きじゃない」
ex)It’s nice to just hang around somewhere once in a while.
「たまにはどこかでぶらぶらするってのも良いよ」
・scornful / skɔ́ːrnfl
feeling or showing scorn [LONGMAN英英辞典]
scornful (adj): あざけりを表す、または感じる
“scornful”は「あざけりを表す、または感じる」という意味の「形容詞」です。
ex)They gave me a scornful look when I expressed my honest opinions.
「正直な意見を述べたとき彼らは私をあざ笑うように見てきた」
今回の”scornful”という単語は”scorn”という単語と一緒に覚えると良いと思いましたので、下記に”scorn”の意味も共有させていただきます。
・scorn / skɔ́ːrn
[uncountable] the feeling that someone or something is stupid or does not deserve respect [LONGMAN英英辞典]
scorn (n):[不可算名詞] 何かまた誰かがバカらしく、リスペクトに値しないという感情(=あざけり)
ex)They looked at me with scorn.
「彼らは私をあざ笑って見てきた」
ちなみに「スコーン」と聞くと
食べ物のスコーンが
パッとイメージされることもあるかと思いますが、
食べ物のスコーンは英語だと微妙に「綴り」と「発音」が違うので注意が必要です。
↓
発音する際の意識としては、
「あざけり」の意味の”scorn”は”r”の音があるのでそれを意識し、
逆に食べ物の「スコーン」は”r”の音はなく、”u”の音が入るということを意識するとわかりやすいのではないかと思います。
“grab”の意味はこちらから確認していただけます。
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Friends Season1 Episode1-17
・here’s the thing
what I want to say is
here’s the thing: 私の言いたいことは
“here’s the thing”は何か言いたいことがある際にその前置きのような形で使うフレーズです。
ex)Okay, here’s the thing. I got fired.
「実を言うと、クビになった」
ex)Here’s the thing, I choose. And you pay, okay?
「こうしましょ、私が選んで、あなたが買う、いい?」
上記意味説明(日本語)では”here’s the thing”の意味を「私の言いたいことは」としましたが、これはこのフレーズの基本の意味であって、和訳はこれらの例文のように文脈によって変わります。
ただ、基本の意味である「何か言いたいことがある際にその前置きのような形で使う」という意味は変わらないので、どんな文脈でも比較的意味は取りやすいと思います。
・even if
used to emphasize that something will still be true if another thing happens [LONGMAN英英辞典]
even if: 何か他のことが起きても、何かが事実であるということは変わらないということを強調するために使われる(=たとえ〜でも)
“even if”は「たとえ〜でも」という意味を表す「接続詞」です。
“even”には様々な意味がありますが、今回のような場合の”even”は「強調」の役割をしており、
「〜でさえ」や「〜であっても」
といった意味を表すと捉えておくと”even if”以外のフレーズ(例えば”even so”や”even when”など)に出くわしても意味を取りやすくなると思います。
ex)Even if we take a taxi, we can’t make it in time.
「タクシーを拾ったとしても、間に合わない」
ex)I wouldn’t buy that even if I won a lottery.
「宝くじが当たったて、そんなの買わないよ」
ex)Even so, I’m not gonna change my mind.
「そうであっても、気持ちは変わらない」
・get it together
[spoken] to be organized and successful in your life, job etc [LONGMAN英英辞典]
get it together:[口語] 人生や仕事などにおいてきちんとし、うまくいくようにする
“get together”という表現は文脈によって様々な意味を表しますが、今回の”get it together”は
調子の悪い状態などから「抜け出す」
という意味を表す口語的表現です。
イメージとしては混乱したり、落ち込んで乱れた気持ち(=it)をもう一度集める(togetherする)というとこから
調子の悪い状態などを「抜け出す」→人生や仕事などにおいてきちんとし、うまくいくようにする
という意味になっているのだと思います。
ex)Get it together!
「しっかりしろ!」
“ask someone out”の意味はこちらから確認していただけます。
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Friends Season1 Episode1-11
・gaze
to look at someone or something for a long time, giving it all your attention, often without realizing you are doing so [LONGMAN英英辞典]
gaze (v): 全ての意識を向けて誰かや何かを見ること、主に無意識にそうしてることが多い
“gaze”は「何かを無意識に見つめる」というニュアンスの「動詞」です。
似た意味の単語で”stare”(☞“stare”の意味はこちら)という「動詞」もありますが、こちらは”gaze”とは違い、
「何かを意識して見つめる」
というニュアンスです。
ex)Are you okay? You were gazing into space.
「大丈夫? ぼーっとしてたけど」
ex)What? Why are you staring at me?
「何? なんで私のこと見つめてんの?」
上記Scriptでロスの部分を”gaze”と言って、その下のレイチェルの部分を”stare”と言っているのもこのニュアンスの違いがあるためです。
実際の映像を見ても、ロスが「なんとなく」外を見た感じであるのに対し、レイチェルは窓際に座って何かを「見つめてる」感じですよね。
ちなみにこの部分で流れていた曲はJackson Browneの“Sky Blue and Black”という曲です。
GRAMMAR
今回のこのセクションでは2つのことについて共有させていただきたいと思います。
①Do the words ‘Billy, don’t be a hero’ mean anything to you?の解釈について
②”Do you know how long it’s been since I’ve grabbed a spoon?“と”Do you know how long it’s been since I grabbed a spoon?“の違いについて
①Do the words ‘Billy, don’t be a hero’ mean anything to you?の解釈について
‘Billy, don’t be a hero‘とは1974年にアメリカでヒットした曲の名前です。
この曲はボー・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズというバンドが歌ったものですが、元々はイギリスのペイパー・レイスというバンドの曲だったらしく、ボー・ドナルドソン&ザ・ヘイウッズはこの曲をカバーする形でヒットしたようです。
曲の内容は、戦争に行くビリーに対し「ヒーローにはならないで」=「国のために死んだりはしないで」と歌った「反戦歌」になります。
1974年というとアメリカはベトナム戦争の真っ最中。
当時、この曲もベトナム戦争に対する「反戦歌」であると捉えられたようですが、この曲のリズムが「マーチ」(軍の行進曲)に似ていることから南北戦争(1861年、アメリカの北部と南部が争った戦争)を舞台に作られた曲とも捉えられているようです。
ただ実際は、ベトナム戦争に対する直接的反戦歌となると検閲などに引っかかるため、「あえて南北戦争に関する曲と見せかけた」「実際はベトナム戦争に対する反戦を主張した曲であった」という解釈の方が有力なようです。
話が少し逸れてしまいました(スミマセン)
さてこの”Do the words ‘Billy, don’t be a hero’ mean anything to you?“の解釈ですが、私が調べたところ、この部分の解釈のキーポイントとなるのは、この曲のヒットした年にあるようです。
この部分の話の流れは
「スプーンを掴め(=新しい恋を始めろ)」
というジョーイのアドバイスに対し、ロスが
「最後にスプーンを掴んだ(新しい恋をした)のはいつだったかわかるか?」
と聞き、そのあとに今回の表現
“Do the words ‘Billy, don’t be a hero’ mean anything to you?“
「お前らは“Billy Don’t Be A Hero”って言葉に何か感じるか?」
と述べたものでした。
そしてこの部分でキーワードとなるのはこの曲がヒットした年=1974年。
このフレンズシーズン1が放送されたのは1994年なので、
話の流れから解釈すると
ロス(このシーズンでのロスの設定年齢は26歳)が最後にスプーンを掴んだのはそこから20年ほど前ということになり、だいぶおませでない限り、スプーンは掴んでいないと想像できます (笑)
そのため、
この部分の解釈としては
「もう覚えてないぐらい昔のこと」という意味で
敢えて大げさに、20年前に流行った曲の名前を出したと解釈するのが妥当であるようです。
②”Do you know how long it’s been since I’ve grabbed a spoon?“と”Do you know how long it’s been since I grabbed a spoon?“の違いについて
すごく些細な違いですが、言われてみれば気になるという方もいらっしゃるのではないかと思いましたので、今回共有させていただきましす。
と言っても実は、私もこの違いがわからなかったので、私のアメリカ人の友人に聞きました。
結論から言うと”since I’ve grabbed”と「完了形」にしても、”since I grabbed”と「過去形」にしても
「意味は同じ」
ということでした。
ただ文法的には”since I’ve grabbed”と完了形にする方が正しいので、書き言葉では完了形にした方が良いようです。
そしてその理由としてはおそらくこの表現の前半を
“Do you know how long it’s been~”と「完了形」で述べているため、後半も「完了形」にするのが正しいという理屈なんだと思います。